本校が掲げる「報恩感謝」という校訓。これは周囲の人々への感謝、環境への感謝、延いては地球や自然に対する感謝など、自分と関わる全てのものに感謝し、それに報いようという言葉です。恩に報いるためにはまず自分自身が幸せな人生を歩んでゆくことが大切です。そして、幸せな人生を歩むためには中学時代、高校時代での弛まぬ努力が必要なのです。本校が提供する学習活動・部活動・学校行事を通して、自分の存在価値を認識し、他者と認め合う。その繰り返しが「自信」という名の「自己肯定感」に繋がります。学校はそれらの活動を通して、人間形成を図る修養鍛錬の場です。その鍛錬で得た経験や知識、スキルは本人の財産になります。この財産を手にした若者は、大きな成長を自ら感じ、周囲へ〝感謝″の念を持ち、その〝恩″に〝報″いようとするのではないでしょうか。やがてその〝報″いようとする範囲が町、国、世界へと大きく円を描いていくことでしょう。

本校では、2018年より新たな中高一貫教育プログラム『JOSAI Future Global Leader Program』(JFGLP)をスタートさせました。校内外での学びと実体験を融合させることで自立心と問題解決能力、グローバルな視野を養い、これからの社会・世界で活躍できる人材を育てることを目標としたJFGLPの成果は着実に表れています。そして、大学受験をゴールとせず、その先を見据えたキャリア教育を重要視し、生徒一人ひとりが「将来の自分のためにどこで何を学びたいか」を明確にしながら大学受験に臨む力を養います。

一方で、本校では生徒たちの成長・成果を感覚で捉えるだけでなく、教育効果のデータ化にも力を入れています。時代の流れや世相の変化に合わせて対応しながら、私学ならではの柔軟性と迅速な決定力を活かして、一人ひとりの成長に合わせたサポートを行っていきます。また、適切なサポートのためには、教員も学ぶ姿勢を忘れてはなりません。生徒とともに学び、教員も成長し続けることを忘れず、新たな取り組みにチャレンジして参ります。これからも本校に根付く自由主義教育とあたたかな校風を継承し、〝不易と流行″を十分に見極めながら、目標を持ち自立した人材を育てる教育に力を注いでいきたいと考えています。新しい城西の取り組みにどうぞご期待ください。

学校法人城西学園 城西大学附属中学校・高等学校校長　神杉　旨宣